このページでは専門用語等を解説していきます
剪定
自然樹形仕立て・・・(透かし剪定)或いは(散らし剪定)とも言います。
有樹造園では特に自然樹形を目指しており、スギ、ヒノキ、イチョウ等の針葉樹は三角形を目指し、カシ、クス、ハナミズキ等の広葉樹はきのこ形を目指して手入れを行います。
太く邪魔な枝を根元から抜き形を整える剪定を行なっており、京都で修行した元親方から教わった技術で、仕上がりも1ランク上になります!関東でこの手入れを行う業者はかなり少ないので是非一度違いを感じてみてください。
また、剪定を行う事により枝先だけでなく大切な脇芽も次年の更新枝として良い環境で育ち、陽当たりと風通しを良くする事により、病害虫の発生を抑えるという効果もあります。
また、北山台杉の台杉仕立てのように木の特性を活かして作り上げる、超不自然ながら美しい手入れの方法もあります。
竹のお手入れ・・・竹は少々独特な技法でお手入れ致します。詳しくはこちらをご覧ください。
刈り込み
人工樹形仕立て・・・刈り込みは自然樹形を大切にするというより、刈り込み鋏等を使い人工的に樹形を作っていきます。
玉作り・・・玉物仕立てともいいます。
段作り・・・段物仕立て、玉散らし仕立てとも言います。
生垣 ・・・樹高3メートル以上になると高垣とも呼ばれます。
刈り込みは、木の葉が細かい(小さい)程見た目がスッキリ滑らかな仕上がりになり、木の葉が荒い(大きい)程荒削りな感じに仕上がりますので、植栽する際は自分好みの葉の大きさの木を選びましょう。
植栽
庭木や宿根草などを植え付ける作業です。
木は大きくなってしまうと伐採や抜根が容易に出来なくなりますので、一度植えた木は枯れるまで面倒を見るつもりで、植える場所や将来のサイズを考えてから植える事をオススメします。
また、果樹等を育てて果物を収穫したい場合は土作りも収穫に影響してきます。
主な植栽の手法として株立ちと単幹の二種類に分かれます。どちらともメリット・デメリットがありますので、当社で植栽を行う場合は住宅環境などを考え状況に合った植栽方法をご提案させていただいています。
株立ち
株立ちとは一本の茎の根元から何本も茎が分かれて立ち上がっている事を言います。見た目にも美しく木高が大きくなるのを抑制できるといった利点がありますが、その分横に広がりやすいです。
写真中央が株立ちの樹
細い幹が連なり、軽やかで爽やかな印象が持ち味です。都内の住宅関係上、大きくなり過ぎてしまうと様々な弊害が出てきますので、シマトネリコなど大きく成長しやすい樹種は株立ちにて植栽する事がほとんどです。
単幹
単幹とはその名の通り、樹木が根本近くから分岐せずに、1本になっている事を言います。株立ちに比べ成長も早く、幹も太くなり立派な大きい木に成長しますが、樹種や日当たりなどの環境次第では大きくなりすぎてしまう場合があります。
一本ゆえに幹も太くなり、ズッシリと重厚な印象になります。
除草シート張り・砂利敷き
雑草が生えてこないように除草シートを張り、その上に砂利を敷く事でさらに除草効果が上がり、見栄えも美しくなります。空地やご自宅周りの通路などほとんどの場所に対応可能です。雑草にお困りの方はぜひ一度お試しください。
土壌
腐葉土
腐葉土は土壌を改善する堆肥の一種で、土壌を通気性・保水性・保肥性に優れた土に改良してくれます。
枝葉が長い年月をかけ土状になったものを腐葉土といいます。
また堆肥としてだけでなく、マルチング素材としても使われます。
赤玉土
赤玉土は通気性・排水性・保水性・保肥性に優れた土ですが、赤玉土自体には栄養は無く、弱酸性です。
園芸などで良く使われる材料なので見かけることが多いと思います。
川砂
川砂は栄養分を含んでおらず、水はけが良いのが特徴です。
その分、保水性・保肥性がよくありません。
その性質を利用して水はけの良い土を好むサボテンや多肉植物の盆栽や植栽に使用することがあります。
マルチング
マルチングとは植えた植物の地表を腐葉土やウッドチップ、ビニールシートで覆い、雑草の発生を防いだり、水分の蒸発を防いでくれる効果があります。
また、冬の冷気から根を保護する効果もあります
パーライト
パーライトとは人工的に作られた土壌改良材です。軽量で撥水性が良く、土作りの際に混ぜる事で水はけが良くなり、根腐れを防止出来ます。
原料に黒曜石と真珠石の二種類があり、組み合わせて使うことでより高い効果があります。
当社では、黒曜石パーライトに東邦レオ株式会社様のホワイトローム
真珠岩パーライトに三井金属鉱業株式会社様のネニプラスを使用しています。
ビバソイル
ビバソイルとは火山灰土などから作られた改良土壌です。軽量で栄養分を豊富に含み水はけも良いので、マンションの屋上緑化などによく用いられます。
伐採・抜根
枯れたり、不要になった木を根元から切る作業を伐採、根ごと抜いてしまうのが抜根です。
松の手入れ
春先の緑芽摘み、秋の透かし剪定、葉もみ(葉むしり)こも巻等の手入れを行い、樹形を整え病害虫の予防を目的とした作業です。
緑芽摘み
4月〜6月初旬に行う作業で、松の新芽を素手で摘み取る作業です。同時に軽い剪定も行い、新芽が開いた時を想定して、枝葉同士が混み合わないように手入れを行います。
透かし剪定
10月〜1月の間に行う作業で、枝数を減らし幹への日当たりと風通しを良くする事を目的とし、マツケムシの予防にもなります。
葉もみ・葉むしり
10月〜1月の間に行う作業で、主に去年の古葉を素手で取り除く作業です。こちらの作業も日当たりと風通しを良くし、マツケムシの予防をする他、要らない芽も取り除いて芽摘みの作業をよりスムーズに行えるようにします。
こも巻
基本的には秋の手入れとセットで行います。幹の裾にワラで出来たゴザのような物を巻きつけ、越冬をする虫たちが外気より暖かいワラの中に卵を産み付けたり、ワラの中で越冬をします。この習性を利用して年明けになったらこもを外し、産み付けられた卵や越冬中の虫を手ボウキ等で取り除きます。こも巻も害虫予防を目的とした作業です。
庭木の消毒
病害虫の発生時、または発生の予防として消毒液を散布します。
一番害虫が発生しやすい時期は東京都だと4月下旬〜5月上旬の新芽が開いたタイミングで、春先に孵化し、柔らかくて新鮮な若葉に集まります。
また、ツバキ、サザンカにはチャドクガという毒性の強い毛虫が発生します。
前年発生した木には必ず発生する傾向にあるので、目に見えるサイズまで育っていなくても上記の時期に消毒をする事で、害虫の数はかなり減っていきます。
害虫
チャドクガ
我々庭師の天敵、チャドクガです。椿や山茶花の葉を食べ、特に新しい葉を好みます。5月の新芽シーズンに大発生し夏の終わり頃にもまた発生します。非常に毒性が強く刺されると強く痒み、空気中に舞う毛が当たるだけで痒くなるほど・・・直に触れてしまうと最悪病院にて手当が必要になります。発生時期の都内の椿や山茶花には高確率でいますので注意が必要です。
イラガ
イラガも強い毒を持ち、カラフルな色でいかにも危なそうな見た目をしています。刺されるとクラゲに刺された時の様な電流が走るような痛みがあります。主に夏の間、カキの木やサクラなど様々な樹に発生します。
アメシロ
チャドクガ、イラガと違い毒はありませんが非常に食欲旺盛で葉を食い荒らし、糞をたくさん落とす非常に迷惑な害虫です。大発生すると樹を枯らしてしまう事もありますので要注意です。
除草剤散布
草を根から枯らす薬剤を散布します。
草取り後に散布すると、草取り後の状態をより長く保てます。
施肥
より花を咲かせたい、より多くの果物を収穫したい、最近木の調子が悪い・・・木の状況に合わせて肥料をあげる事が大切です。
NPKが必須三大要素・・・植物には通常、三大要素といわれる窒素(N)、リン酸(P)、カリウム(K)が必要になります。
・窒素は葉肥といわれ、葉や茎を育てる肥料。
・リン酸は実肥といわれ、花や実を付ける肥料。
・カリウムは根肥といわれ、根や茎を丈夫にします。
三大要素以外にも、植物の生育にはカルシウムやマグネシウムが必要です。
・カルシウムは土壌改良剤の石灰に多く含まれており、植物の細胞と細胞をつなぎ合わせる働きがあります。
・マグネシウムは葉緑素の構成要素として必要な養分で、苦土石灰に含まれています。
三大要素とカルシウム、マグネシウムのバランスを考え、補給するようにしましょう。
有機質肥料・・・植物や動物の死骸、排泄物などを原料にした肥料です。
施肥後、土中の微生物が肥料を分解した後に植物が吸収するため、即効性はありません。しかし、ゆっくりと長く効き、地力を維持します。
また、匂いはありますが補給しすぎても肥料やけしにくいのが特徴です。
無機質肥料(化学肥料)・・・単一肥料と複合肥料がありますが、科学的に合成されたものだから成分量が高く、即効性もあります。
また、匂いもなく扱いやすいのが特徴です。ただし、補給しすぎると肥料やけを起こすので、慣れないと扱いにくい肥料です。
用途別分類
植物の成長に合わせて最適な肥料を分類すると7種類になります。植物の成長を考え、最適な時期に最適な量を施肥してください。
元肥 ・・・苗の植え付けに施肥
寒肥 ・・・地植えの庭木、果樹等の休眠期に施肥
追肥 ・・・地植えの庭木、果樹等の休眠期に施肥
置肥 ・・・植物の育成期間中に肥料分を補う
お礼肥 ・・・主に鉢植えの植物に使用。土の上に置いたり浅く埋めて施肥
玉肥 ・・・樹勢を回復させるため開花後や果実の収穫後に施肥
芽出し肥・・・春先に発芽を促すために施肥
N-P-Kのテクニック
葉肥のN(窒素)が多い肥料は観葉植物、葉菜類や庭木の葉を茂らせたいときに有効です。
一方、花や実をつけたい場合はNを出来るだけ減らし、P(リン酸)を多く与えましょう。
植物の成長を健全にするためには、根肥のK(カリウム)を与えます。
秋になったら寒さに耐えられるようにKを多めに与えるのがコツです。